お迎え付き夜間保育・学童保育の認定NPO法人あっとほーむ≪横浜市都筑区・港北ニュータウン≫

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あっとほーむの日々の様子

あっとほーむのパソコン教室 2

2021年4月18日

あっとほーむでパソコン教室を担当している小栗宏之(おぐり ひろし)です。

 

5年ほど前から不定期で教室を開催していましたが、昨年2020年1月より毎週定期的に
パソコン教室開催するようになり、早いもので1年が過ぎました。

最初から今日まで試行錯誤の繰り返しなのですが、子ども達のレベルアップが目に見えて
分かるようになってきたこともあり、これから少しずつですが、活動内容をお伝えしていきたいと思います。

1回目に続き、今回は第2回目の内容です。

 

 

前回は、あっとほーむオリジナルのアルゴリズム教育「アルゴリズムコーチング®」について触れましたので、今回はそこをもう少し解説します。

 

アルゴリズム教育を考える上で、似て非なる言葉として「プログラミング的思考」があります。

今、学校教育にも取り組まれていますね。

このプログラミング的思考に至るまでに、目的を達成する手段や手順を考えることがアルゴリズムです。

要するに、手段や手順を考え(アルゴリズム)、最適な一つの方法を選ぶ(プログラミング的思考)、組み立てる(プログラミング)という順番です。

 

 

アルゴリズム:目的を達成するためにたくさんの手段や手順を考える。

プログラミング的思考:最も良いものを選ぶ

プログラミング:組み立てる

 

 

組み立てる能力や、選ぶ能力の前に、そもそも目的を達成するためにいくつものパターンを考える能力が必要であることは一目瞭然です。

 

例えば、何事もうまくいかないと諦めてしまう、途中で投げ出してしまうという子どもに、最後までやりぬく力を身に付けてほしいと思いますよね。でも実際は、それぞれの親がこれが一番やりやすい又は効率が良いと思っている方法を教えて、その通りにやるようについつい口出してしまうことが多いのではないでしょうか?なので子どもは親に教えられた方法に近いものを選んで行動します。プログラミング的思考です。でも、社会はこれからどんどん変わり、親世代が考え付かないような方法がもっと適した方法になるかもしれません。だからこそ、自分なりにいろんな方法を考えて、親が想定できなかった方法で最後までやりぬく力が身に付いたらいいと思いませんか?

それがアルゴリズムです。

 

また、職場で例えると、与えられた仕事を手順通りに進める能力(プログラミング)は最低限必要で、企業の理念や顧客ニーズ、社会に合った新しい企画を考えて実現するまで行動出来る能力がある人材だったらいいですよね。(これがアルゴリズム)

 

 

このような考えから、あっとほーむではアルゴリズム教育に力を入れることにしました。

 

 

あっとほーむのパソコン教室でアルゴリズム教育を考えるきっかけとなったエピソードがあります。

2名の男子向けにマインクラフトのワールド内でアスレチックを作るブロック・プログラミングを教えていた時のことです。

この男子達、勉強をよく頑張っていて、成績も優秀です。

※写真は本文とは関係ない子どもたちです

 

 

教室では、参考本を見ながらパソコンに向かってプログラミングしていて、A君は順調に素早く完成して余裕の表情でした。

一方、B君は、参考本を頻りに見直しながら「あれ?あれ?」と言いながら苦戦しており、ブロックを置き間違えたり、入力する数値を間違えたりとなかなか完成しません。

 

それでもようやくB君が完成したところで、僕から次の課題を出しました。

それは、完成したプログラムをカスタマイズ(改造)して新しいアスレチックを作るというものです。

 

完成した状態の画像だけ見せて、「現在のプログラムを書き換えて、このように完成してください」とだけ指示しました。

すると今度は、B君が黙々と考え始めたかと思ったら、プログラムを書き換え始めました。
書き換えているプログラムを見てみると試行錯誤しながらも早い段階から正解に近づいています。
そして、あまり時間を掛けずに完成させてしまいました。

一方、先ほどまで余裕の表情で鼻歌まで歌っていたA君が、「どうしたら良いのか全然分からない!」と頭を抱えています。

この2人、パソコン教室の参加を毎週、半年ほど続けていた時期でしたので、パソコンの扱いは全く問題ありません。
マインクラフトもパソコン教室以外にパソコンが使える時間にやっていたので操作は全く問題ありません。
プログラミングもブロックを前後上下左右に置いたりする命令もよく分かっていたので全く問題ありません。
何が違うのでしょうか?

それは目的までの行動を映像で想像するチカラ、すなわち状況に応じて瞬発的に「場面想像力」を発揮できるという特徴です。

「場面想像力」を発揮できる子は、プログラミングの課題を出した時に、まず、マインクラフトの画面を見ながら、シュミレーションするところから思考が始まります。
そして、頭の中のシュミレーションで完成まで辿り着けたら、あとは、パソコンでプログラムの命令をその通りに並べるだけです。
途中で修正を入れる場面もありますが、完成に辿り着くまでにめちゃめちゃ短時間で、しかも正解なプログラムを作ります。

 

これらパソコン教室の事例に加え、放課後児童支援員として子どもたちと接してきて感じるのは、課題に対して自分で考えたり解決するための道筋を決めるチカラは、学校や塾の教育だけでは賄えないものがあるのだということです。

学校教育は、国語であれ算数であれ、正しい一つの答えにたどり着く力(プログラミング的思考)を身につける場で、

日常生活や人生の中で直面する”答えは一つではない”課題に対して、どのように自分らしい答えを見つけるのか、それを諦めずにやり抜く力を身に付ける教育(アルゴリズム)が、学校以外で子どもたちと長時間過ごす僕たちの役割だと考えています。

 

 

結局、A君は、その後、どうなったかというと、B君に解決のヒントを出してもらい、無事に完成までたどり着きました。また、別のプログラミングでは、A君独自の方法を考えることが出来ました。これはまた次の回に書きます。

今回はアルゴリズムとプログラミング的思考、プログラミングの事を解説しました。

 

つづく