代表・小栗ショウコの日経DUAL連載、第3回目がアップされました。
【第三回】「夜間保育」というと、暗くて寂しいイメージですか?
こういうタイトルにすると、そうですよね、夜間保育をしている私でも
夜間保育=暗い部屋の中でみんなが鼻水たらして寝ている光景が浮かびます。
だからこそ、普通に働いている女性は昼間の保育園以外の夜間保育を利用しないように自分でブレーキかけてしまうんだと思います。
そう思うと、今までやってきた仕事を続けることができなくて、子どもの保育園の時間に合わせた仕事に転職しようかな、でも自分には資格も経験もないしそれはムリだろう、そうしたら今は子育てに専念すべき?
と、どうしても子どものために仕事を諦める方向にどんどん自分の意識が行ってしまうでしょう。
だけど、あっとほーむはそういう夜間保育ではなく、会社員時代の私のように、
普通に働きたい、だけど保育園の時間だけでは足りないのという人のための場所です。
実際にあっとほーむを利用している人も、誰もが知っている大企業にお勤めの方から、
保育士、公務員、医師、看護師、介護系、メディア系の人もいます。
みんな経済的にも仕事はしないといけないんだけど、やりたいからやっているという人がほとんど。
忘れてはいけないのは、こうやって結婚出産後も仕事を続けてくれる人がいるおかげで、私たち市民の生活が成り立っていること。
保育園が延長保育を実施するということは、利用する人にとっては便利だけど、そこで働く保育士さんは夜間までのシフト勤務になるだろうし、
私が関わっている行政の会議なんかは市民が出席しやすいように夜間や土日祝日。参加する人は便利だけど、担当者は勤務になります。
他にも、私たちがGWなど休暇を快適に過ごすためには、そこで働いてくれる人がいるからこそなんです。
私に直接言ってくる人は少ないけれど、子どもが小さいうちは母親は仕事しちゃイカンくらいに言う人もいれば、夜間保育?そんなの母親の育児放棄の助長になるじゃないか!という人もいます。
でもね、じゃああなたやあなたの大切な家族が、救急病院に搬送された時、「私は医者ですが子育て中なので出来ません。他の医者は手が空きていないのであと4時間はお待ちいただきます。」
とか、「子どもの保育園のお迎え時間なので帰らせていただきます。他の医者は手が空いていません」とか言われたらどうでしょう?
目の前で苦しんでいる人がいる、今私が助けないと命が尽きてしまうという状況で、
手を放す医師や看護師はいないでしょう。それだけ使命ややりがいを感じているからやっている仕事なんだから。
医療系の仕事だけじゃなく、他のどんな仕事でも同じです。
それは男性とか女性とか、結婚しているとか子育て中とか関係なく、そうして頑張ってくれる人がいるからこそ社会は成り立っているんです。
一方、じゃあそういう時に預けられた子どもはかわいそうじゃないのか?と思う人も多いです。
だけど、おじいちゃんおばあちゃんが見てくれているなら、そうは思わないでしょう?きっと「おじいちゃんおばあちゃんに見てもらえて、ママも子どもも幸せね」と思う人が多いでしょう。
でも現実は、おじいちゃんおばあちゃんが近くにいない、近くにいても何らかの事情で見ることができないという人がほとんど。
だから私たちが、その代わりとなるんです。
子どもたちが自分はたくさんの人に愛されているという感覚を持てるような場を作る。
血はつながっていないけど、同じ時代に同じ地域に住んでいるというご縁があってつながっていく「地」のつながりを作りたいと思っています。
パパママが、社会に役立つ仕事を続けること、子どもが愛情を感じられる場で過ごすこと。
それがあっとほーむの夜間保育でやってきた事であり、これからも目指していくことです。
小栗ショウコ