こんにちは、認定NPO法人あっとほーむのかわだです。
前回の記事では、
【自分を知る→相手を知る】
という”行動観察”のプロセスについて書きましたが、
今回は、【自分を知る】ことについて
深掘りしていきたいと思います!!
いきなりですが、みなさんは
自分のことをどれだけ知っていますか?
世の中にはさまざまな性格診断ツールがありますが、
そういったツールを使わずに自分のことを知る方法は
おそらく、他者と比較することであると思います。
子どもの頃、親や兄弟姉妹と外見が似ているか?
友達と比べて足が速いか?など、無意識に比較して
自分はこうだ、と認識していたのではないでしょうか?
そのような「自分が知っている自分の特徴・
自分が知らない自分の特徴」を縦軸、
「他者が知っている自分の特徴・
他者が知らない自分の特徴」を横軸に
「開放」「盲点」「秘密」「未知」の4つの窓(領域)に
分類した対人関係における気づきのグラフモデルを
ジョハリの窓と言い、自己分析の心理学モデルです。
開放の窓:自分も他者も知っている「自己開示している領域」
盲点の窓:自分が知らず、他者が知っている「他者から見られている領域」
秘密の窓:自分が知っていて、他者が知らない「自分しか知らない領域」
未知の窓:自分も他者も知らない「だれも気づいていない領域」
私がこのジョハリの窓について知ったのは、
保育学科で子どもの心理学の講義を受けた時で、
盲点の窓が特に印象強く残っています。
盲点の窓、すなわち自分が知らない自分の特徴を理解し、
受け入れることでその特徴は、盲点から開放の窓へ移る。
という話を聞き、なるほどなと思いましたし、
同時に「盲点の窓に気づくにはどうしたらいいのか?」
と、難しい問題にぶつかりました。
一般的に、ジョハリの窓を実践する時は、
お互いのことをある程度知っている関係性の人たちと
グループワーク形式で行われるそうですが、
他者からのヒアリングはなかなかに
判断に迷うような項目だなと私は感じました。
グループワークのメンバーの関係性が良好であるか否かで
印象はかなり違ってくるのではないかと思います。
「あの人は私のことが苦手だから」
「私はあの人のことが苦手だから」というような私情が
全くないとは言い切れないと私は思います。
また、「この人はこういう人」という判断基準には
その人の価値観や、グループ内での他者との比較が、
おおいに影響するのではないでしょうか。
とはいえ、盲点の窓を知るメリットはたくさんあります!
見せたい自分と見られている自分は、結構違います!!
自分の価値観と受け取る相手の価値観が異なるからです。
私は10年程前、サービス業界で働いていました。
始業ミーティング時に笑顔の練習をする時間があり、
これがなかなか難しく、自分では笑顔のつもりでも
相手には伝わっていない場合がありました。
笑顔の練習方法は、社員同士向き合い、
相手の笑顔を見て自分が受けた印象を伝えたり
アドバイスを伝えたりするのですが、
これらの感想を批判と受け取らずに自分の改善点として
受け止められなければ、見せたい自分(主観)と
見られている自分(客観)との差は縮まりません。
当時の私は、笑顔の素敵な社員をお手本に、
お客様に信頼してもらえるような笑顔を目指して
言葉遣い・声のトーンなども意識して働いていました。
笑顔を他者と比較し、盲点から開放の窓へ移す
というような、意識的なジョハリの窓の例でしたが、
冒頭で述べたような【自分を知る】プロセスでは
無意識的な比較が影響することもあるのだと思います。
「(あの人はそうしている/そう思っているけど)
私だったら、こうする/こう思うのに」
「(あの人はそうしている/そう考えているから)
私も、こうしようか/こう考えようか」というように、
他者と比較していることもあるのではないでしょうか?
他者と比較する、人と比べる、と聞くと
あまり良くない印象を受けるかもしれませんが、
比較するからこそ発見できる自分らしさが
【自分を知る】ことにもなるのだと思います!!
そして、自分が思っているように他者から思われるために
(自分の認識と他者からの認識のズレを少なくするために)
自身の言動を振り返ることや自己表現をすることは、
自分らしく生きていくためには必要だと私は思います!!
※他者からの評価に気を病むようなことではなく、自分らしさを知ってもらうという意味です!
次回は自分らしさについて、
深掘りしていきたいと思います!!
先日、あっとほーむの子どもたちが
意見の食い違いからケンカに発展しました。
※毎日のようにケンカして仲直りしています!
〈みんなちがって、みんないい。〉
という金子みすゞさんの有名なフレーズがありますが、
「みんなそれぞれ自分勝手に行動していい」
というような意味ではないと、
そのニュアンスを言葉で説明するのは難しいですよね。
人それぞれ思考の組み立て方や自分ルールは異なり、
自分はどのようなタイプで、相手はどうなのか?
違うタイプの人と、どう折り合いをつけるか?
相手への批判の言葉を子どもたちから聞く度、
それは自分の正しさだけの主張だなと感じますので、
※もちろんそれは、子どもだからです!
自分の中にある狭い範囲の想像力を広げるために、
偏った固定観念が形成される前の子どもたちには
たくさんの経験をしてもらいたいなと思います!
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