こんにちは、認定NPO法人あっとほーむのかわだです。
※今回の記事には、いじめや暴力、自殺などのワードが出てきます。
辛い思いを経験された方は、お辛くなければ読んでいただければと思います。
初回の記事で、”自分を取り戻すことができる
居場所や時間はかけがえのないもの”
という話で締めくくりましたが、
働いているみなさん、子育て中のみなさん、
家庭や職場以外の居場所は、ありますか?
新型コロナウイルスの影響で、
働く女性や子育て中の女性、そして子どもの
自殺率が急増したという情報を目にする度、
苦しい思いが込み上げます。
急増の背景には複雑な要因がありますが、
居場所や人との繋がりがなかった、
なくなったことも要因の一つであると思います。
子どもの場合は、
思春期が精神疾患が好発する不安定な時期であり、
大人の精神的不調からの回復には、
その人の思春期発達と価値形成がどうであったか
理解することが重要であるそうです。
※参考文献:[監修者]長谷川寿一[編者]笠井清登,藤井直敬,福田正人,長谷川眞理子「思春期学」,東京大学出版会,2015年5月
今回は、私の思春期の経験談を交えて
『居場所を見つけること』についてお伝えします。
思春期の入り口は10歳前後と言われていますが、
その頃の私は、人生の大きな転機を迎え、
「死んだらどうなるの?」と常に考えていました。
「ここから落ちたら、死ぬ?」
そんなことを考える日もありました。
いじめや暴力の影響もありましたが、
それ以外の環境からも影響を受け、
「どんな自分でいたらいいのか分からない」
そんな悩みを抱えていました。
答えを見つけるためにもがくも、
10代後半に自分の核心部がガラガラと
音を立てて崩れたような状態になりました。
そこから、私がどうしたのか?
言うまでもなく、
自力ではどうにもなりませんでした。
そんな私に変わる【きっかけ】を
大人が作ってくれたことにより、
その【きっかけ】から様々な大人と出会い、
居場所を見つけ、私は変わることができました。
そんな生き方があるの?
どうしたらそんなふうに生きられる?
私も、そんな生き方をしてみたい。
今思えば、その大人たちは私にとって
初めてのロールモデルでした。
「あの人みたいな大人になりたい」と、
自暴自棄になっていた私が、
変わるための一歩を踏み出せたのです。
あのような【きっかけ】や居場所がなければ、
私の人生はどのようになっていたのか想像がつきません。
そのような思春期の子どもだけでなく、
働いているみなさんにも、
子育て中のみなさんにも、居場所は必要です。
人との繋がりがなければ生きていくことは難しいと、
社会に出てから痛感することが多くあると思います。
そして、居場所とは、
人と繋がっていると感じるものであり、
私の感覚では、自分が自分であることを
第三者から許されるような気持ちになるものでした。
自分が自分であることを許されるような
“居場所を見つけること”で、
「自分には良いところがある」と
自分の存在を評価する感情、自己肯定感が高まり、
「自分はきっとできる」と
自分を信じる感情、自己効力感が高まると
私は思っています。
※令和3年版 子供・若者白書 子供・若者インデックスボード ⑥居場所の数と自己認識の関係
内閣府の居場所と自己肯定感に関するデータです。
特に、思春期に私のような【きっかけ】や
環境がなかったなどの影響で、
自己効力感や価値形成が培われずに
精神的不調を抱えている人にとって、
そのような居場所は重要であると思います。
居場所を見つけるには、どうしたらいいのか?
次回も私の経験談を交え、
大人の居場所について書きます。
先日、4年生~中学生を対象とした勉強会を行いました。
教えてくれたのは、私と同じく学生の頃より
ボランティア活動をしていた方です。(現在は社会人)
私はその勉強会を後ろから見学していたのですが、
お話を聞きながら、じ~んとしていました。
思春期の子たちにとって、
ロールモデルになりうる大人の存在は本当に大切だし、
自分のやってきたことは合ってたんだ!!
と、自信にも繋がる勉強会だなあと。
親でもなく、スタッフでもなく、
ちょっと離れた距離感の大人から話を聞く。
今後も継続していきたい居場所の時間です。